英語科教員のメモ書き。

恐れ知らずで美しい1人のフィギュアスケーター

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お疲れ様です、Javishです。

 

平昌オリンピック、盛り上がっていますね。

先日は男子フィギュアスケートがあり、日本勢は羽生選手、宇野選手、田中選手が躍動しました。日本が金銀のメダルをとったというのも快挙!今後も日本のメダルがどこまで増えるのか、とても楽しみです。

 

さて、自分の国を代表して競うオリンピックですが、政治家が応援に駆けつけることから各国の政治色や文化がみえることもしばしばあるようです。

 

皆さんは、この選手をご存知でしょうか?

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FOX NEWSより引用

今回の平昌オリンピックに出場している、アメリカ代表のAdam Rippon選手です。

Rippon選手は今回のオリンピックでも団体フィギュアスケートで銅メダルを獲得した、実力のあるフィギュアスケーターです。

そんなRippon選手ですが、応援に来ていたアメリカ副大統領マイク・ペンス氏とのあいだでトラブルがあったようです。それは、「ペンス氏がRippon選手を1対1の面談に招待したものの、Rippon選手がそれを拒否した」という内容。なぜこんなことが起きたのでしょうか?

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トランプ大統領(左)とペンス副大統領(右)

 

 

今回の一件は、Rippon選手が2015年のアメリカ誌「SKATING」の取材で自身がゲイであることを公表している一方、ペンス氏はLGBTの人たちに対し批判的な政治家であることが背景にあります。

ペンス氏はアメリカ副大統領に就任する前はインディアナ州州知事を務めており、州知事時代にはReligious Freedom Restration Actという、ゲイ・レズビアンの顧客に対してのサービスを拒否することを宗教保護の観点から認める法律を制定したことがあります(※インディアナ州には政治的・宗教的に保守的なキリスト教徒が多く、LGBTに対する抵抗が強い地域があります)。

さらに、ペンス氏は性転向療法(conversion therapy)と呼ばれる、同性愛者の性的嗜好を変える事を目的とする心理的療法の支援をしたともいわれており、ゲイであるRippon選手はこうした反LGBTの政治家を許せないようです。

 

そして2018年1月の取材。Rippon選手は「ペンス副大統領が平昌五輪でアメリカ代表団を引率することにどう思うか」と聞かれ、以下のように回答しました。

 

"You mean Mike Pence, the same Mike Pence that funded gay conversion therapy? I'm not buying it."

(マイク・ペンスって、性転向療法を支援しているあのマイク・ペンスのこと?私は彼を信じていないね。)

 

自国の副大統領を政治観・宗教観の不一致から堂々否定。その後もペンス氏に対する声明をしばしば公表しています。

 

今回の平昌オリンピックにゲイのフィギュアスケーターとして出場したRippon選手は、LGBTの人たちも代表する思いで演技に当たりました。一方で、LGBTに反対する人たちも少なからずおり、そうした人たちからの批判も多く受けての出場だったようです。さらに、このペンス氏との面会を拒否したことがメディアの注目を集め、Rippon選手が競技に集中しにくい環境となっていました。そこにはRippon選手の複雑な思いが汲み取れます。

 

しかし、ベストなコンディションとはいえない中、堂々とすべての演技を終え、Rippon選手はTwitter上にこうつぶやきました。

 

 

(私に対して「失敗すればいいのに」とツイートしたすべての人へ。私は人生で何回も何回も失敗してきた。だが、それ以上に重要なこととして、私は毎回の挫折から学び、私の過ちを認め、失望から成長してきた。そして今、私はランウェイに向かう恐れ知らずの美しいビ●チになった。)

※"glamazon"とは "glamorous"(グラマラス)と "amazon"(アマゾン = ギリシャ神話に登場する女性だけの部族民)の合成語です。

 

 

こうした一人のアスリートに注目するだけで、アメリカの文化、政治観、宗教観が垣間見れますね。偏見や差別に負けない、恐れ知らずで美しいRippon選手の活躍に今後も期待です。