学校を休まないのはいいこと。では休むことは?
お疲れ様です、Javishです。
今週もお疲れ様でした。
期末試験が迫ってきて、それが終われば卒業式準備。
今年度もいよいよといったところでしょうか。
今回はJavishが見た生徒の言動を基に、「学校を休むこと」について考えます。
ある生徒からのクレーム
Javishが勤務する学校にて、こんなことがありました。
ある教員が諸事情により、管理職に許可を取ったうえで数日間連続して欠勤。
それが自己都合でなくどうしても欠勤せざるを得ない理由であり、
他の教員はその教員が復帰するまでサポートしていこうという形でまとまりました。
しかし、その教員の欠勤を聞いたある生徒がこうもらしました。
「あの先生は大事な時に休んでばっかり。私達には学校や部活を休むなっていうのに」
最近、その教員の方はしばしば学校を欠勤しなければならない理由があり、
休んだ日がたまたま学校の大切な日にあたることが確かに数回あったのです。
生徒からすると、普段自分達に休むなと言う当の大人が休むことに納得が出来ていないようでした。
無遅刻無欠席の推奨
教員ならば、日常的に生徒に遅刻欠席をしないように指導をしているかと思います。「朝の会ではチャイムが鳴り終わったときに着席していないと遅刻扱い」など、細かいルールを作っている学校もあります。中でも時間厳守を習慣づけるために、「授業開始のチャイムが鳴る前に着席する」ルールを「ベル着」「チャイム着席」などと呼び、徹底しているところも多いようです。また、毎年一度も遅刻欠席がない生徒を皆勤賞として表彰したりして、「遅刻欠席をしないこと=善」という文化を根付かせていると思います。
こうした習慣は、生徒に時間厳守と体調管理を身につけさせる絶好の方法であることに間違いありません。時間を守ることで授業がスムーズに始まり、学力向上につながります。学校を休まなければ授業の進度から遅れません。学校を休まないことで友達と話す機会が出来、コミュニケーション能力が身につきます。無遅刻無欠席を推奨することは、生徒にとって有益だからこそ推奨するものです。この習慣は、社会に出てからも間違いなく役に立ちます。こうした背景から、学校では「学校を休まないこと=善」の文化が根付いています。
「休まないこと=善」の文化が行き着く先
しかし、非常にバランスをとるのが難しいものの、「学校を休まないこと=善」だけでなく「学校を必要なときは休むこと=善」の文化も生徒に提示していくことが必要ではないでしょうか。教員が「学校を休まないこと=善」という考えを強く持ち、それを生徒に伝え実践させることは大切です。しかし、それだけを伝えていると、
と考えが無意識に発展することがあります。良いとされていることを推奨するのはとてもよいことですが、それだけではその良いとされていることをしないことがまるで悪いことのように感じ取れてしまうことがあります。必要なときは休むことを並行して伝えていかないと、本来必要である「休むこと」が「やってはいけない悪いこと」のようになってしまうのです。最初にあげた、「あの先生は大事な時に休んでばっかり。私達には学校や部活を休むなっていうのに」という生徒のクレームからも、「あの先生はやってはいけない悪い事(学校を休む)をやっている」という感覚があることがわかります。きちんと「休む必要があるときは休んでいいよ」と伝える必要性がありそうですね。さもないと、教員が休むときに生徒から批判的に思われてしまうかもしれません。
また、こうして「休むこと=悪」と感じながら成長した生徒は、下の図のように、大人になっても「会社を休む=悪」と思い続けるのではないでしょうか。
確かに病気や寝坊など、自己理由での遅刻欠席は許されるものではありませんが、認められた休暇である有給休暇なら、それを行使することを「悪」と感じる必要はありません。しかし、日本が有給休暇の消費率が世界的に見ても低いことはとても有名です。「エクスペディア・ジャパン」が2017年に行った調査によると、日本は2年連続で有給休暇の消費率が世界最下位でした。
さらに、同社の調査では、「有給取得に罪悪感を感じる人の割合」もトップでした。
与えられた権利である有給休暇を行使するのに罪悪感を感じるのは日本ならでは。日本の協調性を重んじる文化や緊急事態に備える慎重性が要因と考えられますが、「学校で休むなと教わったから大人になっても休み方を知らない」可能性も否定できません。生徒に有給休暇はもちろんありませんが、生徒が学校を卒業してから「休みたいし合法的に休めるけど休まない大人」にならないよう、「学校は休まないこと」と「必要なときは休む」ことの二点を伝えられる教員でありたいです。
おわりに
今回は「学校を休むこと」の考察を拙稿ながらまとめてみました。
大人になってから考えを変えるのは大変なことですから、
生徒のうちから休むことの意義を考えられたらベストではないでしょうか?
Javishも休み方を生徒に提示できるよう、
まずは自分から「しっかり休むこと」を実践していきます。
本日も勤務された方はお疲れ様でした。
今日明日としっかりと休んでくださいね。お体ご自愛ください。
参考サイト
「働き方改革」なのに「有休」取れない日本人 有休消化率ランキング世界最下位