英語科教員のメモ書き。

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教員の英語力はどうなる?

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お疲れ様です、Javishです。

 

以前の英検1級について書いた以下の記事の中で、

thoughtsofenglishteacher.hatenablog.com

 

英検準1級程度の語学力のない英語科教員の割合に触れました。この教員の英語力改善の課題に対して、東京都が方針を打ち出したので、その紹介をします。

 

www.kyobun.co.jp

 

東京都教育委員会は、2月8日に「東京グローバル人材育成計画’20(Tokyo Global STAGE’20)」を取りまとめました。教員の英語力の具体的目標に関しては、「2020年までに、英検準1級程度以上の英語力を持つ中学校教員を65%、高校教員を80%まで増やす」とが明記されています。

 

それでは、英語科教員の英語力の推移はどのようになっているのでしょうか?文部科学省が毎年公表している「英語教育実施状況調査」から、「英検準1級程度以上の語学力」を持つ教員の割合を調べることが出来ます。以下に、平成28年度「英語教育実施状況調査」の一部をそのまま引用します。

 

まずは、中学校英語科教員の目標達成率の変遷。

   <中学校英語科教員>

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昨年度と比べて微増の1.8ポイント増。データが公表されている平成24年度から4年間で4.3ポイント増。続いて高校英語科教員。

 

    <高校英語科教員>

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昨年度と比べて4.9ポイント増平成24年度からは4年間で9.9ポイント増。中学校教員と比較してより大きな改善が見られます。

  

平成28年度末の時点で中学校が32.0%、高校が62.2%の達成率。なお、文部科学省は第2期教育振興基本計画でそれぞれ中学校は50%、高校は75%の達成を目標にしています。以上が都道府県全英語科教員の平均でした。

 

では「東京グローバル人材育成計画’20(Tokyo Global STAGE’20)」で文部科学省より高い目標を掲げた東京都はどうでしょうか?都道府県の英語科教員の「英検準1級程度以上」の目標達成率は、「平成28年度『英語教育実施状況調査』の結果について」で最新情報を確認できます。東京都の達成率は中学校は46.7%、高校は70.1%となっており、どちらも全国平均を上回っています。さすがは首都東京ですね。

 

 

ここまでのデータをまとめると、以下のようになります。

 

   <英語科教員の英語力目標達成率と目標>

                 中学校    高校

平成28年度全国平均達成率:    32.0%   62.2% 

  文部科学省の目標設定:    50.0%   75.0%

 平成28年度東京都達成率:    46.7%   70.1% 

    東京都の目標設定:    65.0%   80.1%  

 

 

Javishは、いつも中学校英語科教員の語学力が高校と比べて低い傾向にあることが気になっていました。義務教育の最終段階である中学校英語科にこそ、語学力の有る教員を配置することが大切なのではないかなと。ただ、東京都に関しては全国平均で見てもかなり中学校英語科教員の語学力が高い傾向があることがわかり、東京都の魅力のひとつだなと感じています。

果たして今後、文部科学省と東京都の目標は達成されるでしょうか?教員の年齢ごとの英語力を測るデータが無いため確かではありませんが、若い教員ほど語学力が高い傾向があるので、ベテラン教員層の退職に伴い、来年度以降の目標達成率はさらに上昇するとみています。高校は数年後には達成される見込みでしょうか。中学校英語科教員は全国平均で見ると上昇率が高くないため、改善が必要ですね。働き方改革がどのように学校現場で実現されるか、そのあたりも重要になってくるかもしれません。