英語科教員のメモ書き。

今日やれば、今日伸びる。

ロンドンより、英語学習に関する情報発信中

平均点伝える?伝えない?

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お疲れ様です、Javishです。

 

テスト返しがほぼすべて終了しました。

最近気付いたのですが、テスト返しの時に学年平均やクラス平均を

生徒に伝える先生伝えない先生がいるようです。

生徒に学年やクラスの平均点は伝えるべきでしょうか?

平均点を伝えるメリットは?

生徒に平均点を伝えることで、生徒にどんな変化が起きるでしょうか。

生徒は平均点を伝えると、「自分の点数が平均点より高いか低いか」を気にします。

平均点より高い生徒は喜び、低い生徒は悲鳴を上げたり苦笑いをしたり。

 

「自分の点数が平均点より高いか低いか」を生徒に意識させたいなら、

「自分の点数が平均を上回ること」が生徒にとって有益ならば意味があります。

平均点を上回ることが有益になるのは、

定期考査を「偏差値」の参考にするケースくらいでしょうか。

しかし、中学校・高校で定期考査の点数が偏差値の参考になることはほぼありません。

 

まず中学校1年・2年では、明確な受験校がない限り、

ほぼ偏差値を気にする必要がありません。

それよりも学習習慣の確立や部活など好きな事を思いっきり楽しんだほうが有益です。

 

中学校3年では受験を意識することになりますが、

平均的な公立校にいる場合は、

正確な偏差値を出すのに十分な生徒数がそろっているとは考えにくいですし、

定期考査の問題が受験問題と似ていないと、平均点との比較は偏差値として参考になりません。

私立中学の場合は中高一貫校が増えていることや、

学力のばらつきが少ないことから同様に偏差値として参考になりません。

 

高校の場合も、サンプル数の少なさや学力のばらつきが中学よりも少ないことから、

平均点と自分の点数を比較して偏差値を見出す意味がありません。

 

そもそも、 受験に関する有意義なデータがほしいなら、

業者の模擬テストを受ければ一発解決するんですよね。

偏差値だけでなく合格ランクや倍率など、受験生の強い味方になっています。

 

話を戻すと、定期考査の平均点では信憑性のある偏差値を出せないということです。

つまり、生徒は学校の平均点を気にする意味がない。

 

しいて言えば、

上位層が平均点を聞いて自分の点数の高さにうれしくなるくらいでしょうか。

生徒にとって、学校の平均点を知ることのメリットがほぼないのです。

 

なぜ平均点を伝えたくなる?

このように生徒にとって平均点を知るメリットが少ないものの、

学年・クラス平均を生徒に伝える教員はたくさんいます。

どうしてでしょうか?

 

考えられるのは、「せっかくデータとして出したから使う」という理由。

よくよく考えてみれば、平均点を出すのは教員に対するメリットが多い。

定期考査の難易度の確認や、生徒の到達度の確認、

来年度の授業の修正改善など、教員が知るべき情報は平均点から多く得られます。

さらに、テストの採点という大きな事務作業を乗り越えて

データとして生み出した平均点。

「せっかくデータとして出したんだから、テスト返しのときに伝えよう」と思いがち。

教員の心境としては生徒に伝えたくなる気持ちがわいてくるのも自然です。

 

しかし、平均点を伝えることで学びにつながっているとは考えにくいですし、

むしろ「周りと比べて自分はどうか」と、

生徒は常に他者と比較した自分を意識してしまいます。

 

特に英語の勉強になると、周りとの比較はするべきではありません、

4技能5領域の中で、生徒はそれぞれ得意分野がありますし、

積み上げる努力の質と量や伸びるスピードも生徒一人ひとりで違います。

周りと比較してどうかではなく、

過去の自分と比較してどれだけがんばったか、

また自分は今後どうなって点数を伸ばしていきたいのかなど、

個人の成長を意識できるよう工夫をしていきたいところです。

おわりに

今回は生徒に平均点を伝えることの是非を考えました。

Javishが現役のころはわりと平均点を生徒に伝える先生が多く、

そのたびに「あぁ~今回は俺だめだったな」とか「今回はがんばったほうだな」とか、

常に他者比較の中での自分を考えていました。

 

でも、勉強で大切なのはそこじゃないんですよね。

今、平均より低いからといって、

1年後2年後も平均を下回っているかは誰もわかりません。 

むしろそれこそどんな教員に出会うかによって大きく影響されるかも。

 

生徒の力を伸ばしてあげるには、やはりテスト返し直後の行動が大切ですね。。。

定期考査が終わったらすぐに振り返りシートや今後の学習計画表などを配って、

生徒の目が「自分」に向くようにしたほうがいいかもしれません。

名古屋市の全小学校で部活動廃止。

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お疲れ様です、Javishです。

 

衝撃的なニュースですね。

名古屋市教育委員会は、名古屋市の全市立小学校において、

2020年度いっぱいで教員による部活動指導の廃止を決定しました。

40年以上前から続いていた教員の部活動指導を廃止するとは、大きな転換ですね。

名古屋の調査によると、

昨年度は多くの教員が1ヶ月に30時間を部活動にあてていたとのこと。

1ヶ月30時間も時間が浮くことになれば、教員の負担は間違いなく軽減します。

行政側が教員の負担軽減のための行動を取れていることはすばらしいですね。

 

他にも、京都市では2017年から顧問として勤務も出来る「部活動指導員」を

試行配置して教員の負担軽減を狙ったり、

熊本市では2019年度から学校での部活動の短縮化に取り組むなど、

自治体レベルでの部活動の取り組みへの見直しが実現しています。

教員のための行政が機能していることを本当にうれしく思います。

 

今後の課題としては、地域人材の活用がどこまで進められるかですね。

教員がやらないなら誰がやるのか。

ボランティアで部活を指導してくださる方がいる地域もあれば、

そうでない地域もあります。

 

人の善意で成り立つところが多い部活動ですが、

教員の善意で始まった部活動の見直しが必要になった今、

部活動指導員の配置も地域の善意に頼らず、

どんどん行政主導で進めてほしいところです。

 

 

参考サイト

小学校の部活動全廃へ 2021年度から名古屋市 - 産経ニュース

部活指導員を試行配置へ 京都の中学校5校 : 京都新聞

小学校でもブラック部活動?「部活の問題は中高だけじゃない」(THE PAGE) - goo ニュース

テスト返しの時間をどう使う?

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お疲れ様です、Javishです。

 

学年末がいよいよ近づいてきましたね。

Javishの勤務する学校では期末テストの返却が始まり、

テストを手にしていろんなリアクションをとる生徒を今日も見ました。

一通りテストを返却し、要点を解説、採点ミスの申告受付。

この時期ならではの授業の流れです。

 

しかし、Javishは思いました。

なんとかこのテスト返しの1時間も有効な学びの場に出来ないか?と。

テストの返却と解説でほぼ時間をいっぱいに使ってしまうのでやや難しいのですが、

テスト返却の1時間は生徒に学びがほぼない

 

思えば自分も現役学生のころは、

「テスト返し=授業がない」という感覚でいて、

テスト返しの時間は脳への負担が少ない時間だったような気がします。

 

なんとかテスト返しの有効な時間の使い方はないでしょうか?

今日はこの問題をテーマに考えます。

 

テスト返しで生徒に何が起きる?

まず生徒を2パターンの集団に分けます。

 

集団1:点数がよく、自分の点数に満足している。

集団2:点数が悪く、自分の点数に満足していない。

 

成績優秀な集団1に当てはまる生徒は、

採点ミスなどは確認するものの、

ごくわずかの間違えた数箇所をなぜ間違えたのかまで考えられる場合はまれです。

「これだけがんばって取れたから満足」と、

採点ミスがない事を確認できたら答案をしまい、他のプリントなどに取り掛かります。

プリントなどの取り組みは比較的まじめにこなしてくれます。

成績優秀かつ授業態度も良いので、学校的にはこの時点では問題ないように見えます。

 

成績に課題がある集団2に当てはまる生徒は、

まず自分の答案を長時間見たがりません。

もしくは点数が悪い生徒同士で点数の低さ自慢大会が始まります。(なぜ・・・)

ひどいときは採点ミスのチェックもせずにかばんに答案をしまいます。

答案上に間違いも多いため、テスト直しも模範解答を丸写しか、

テスト返し中はおしゃべりか何もせずに与えられた課題もほぼ無視。

また、テスト返し中の教員はテスト返しや採点の修正受付があるので、

こうした生徒への個々の対処が出来ない。

 

どちらのケースでも、生徒がテストを通して実力を測った後、

そこからの学びにつなげるのが難しい。

成績がいい生徒は見つけるべき課題が少ないし、

成績に課題がある生徒は改善させるやる気を引き出しにくい。

 

確かにテストは生徒の普段の勉強の成果を測るものですが、

せっかくならそこから自分の弱点や課題も見出せたら次につながりますよね。

自分が苦労して積み上げてきた努力を一度測定したなら、

そこからさらに一段上の高みに登らせてあげたい。

 

さっさと次の単元の予習プリントをやらせるのもいいんですが・・・

中高生に彼ら自身で予習させるのは効率がよくない。

理解とアウトプットを1コマの授業で両方済まさせるには、予習では重過ぎる。

 

するとやはり、テストの大問ごとに合格点を設け、

各大問ごとにプリントで振り返りをさせるのがいいかな。

テストで合格点に達していない大問の問題を中心に力をつけてもらう。

自分の弱点は把握しやすくなるかな。

ただし、点数が赤点の生徒にはやる気を出させるところから支援が必要。

やっぱりテスト返しから有意義な時間を過ごさせるには、

教員1人の配置では難しいのかな。

 

終わりに

今回はやや備忘録的な内容になってしまいました。

結論がはっきりと出ていないのでなんとも言いにくいところですが、

いつかテスト返しの1コマも無駄にしない技術と知識を身につけたいです。

それでは。

Javishの「休み方改革」。

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お疲れ様です、Javishです。

 

週末もおしまいです。早いですね。

みなさんは有意義な休みを過ごせましたか?

教員としてとてつもなく多忙な日々を過ごしていると、

いかに休むかがとても大切。なかなか休めないんですけどね。

働き方改革」が言葉として流行している中、

Javishは「休み方改革」にも力を入れています。

 

休み方改革の2本柱

Javishは休み方には2通りあると思います。

ひとつは「計画して休みを充実させる」休み方です。

Javishは土曜が全休のときは前日の夜から何をするかを計画します。

内容は特別なものではなく、

午前中に洗濯物を済ませる、掃除機をかける、トイレをきれいにする、

スーパーに買い物に行くなど、

処理すべきものを計画立てて処理します。

これにより得られるものが「計画通りに仕事以外の事をした」という達成感

家事全般は(休めれば)午前中で全部終わりますし、

土曜の朝のスーパーは空いていて気持ちがいい。

 

Javishは家事が半分趣味みたいになっているので、

家事を計画通りにすべて済ませるとリフレッシュしますねー。

家がきれいになると心もきれいになった気がします。

みなさん何か趣味をお持ちだ思いますが、

趣味を実行するのも計画のうちじゃないかと思います。

物を用意したり、練習したり、

その日の思い付きだと100%楽しむのは難しいのでは。

Javishは小さな計画をバシバシ実行し、有意義な休みをとっています。

何も考えずに休日を過ごすと結局だらだらしてしまうことが多かったので、

今では必ずなにかしら行動する計画を立てるようにしていますね。

 

 

そしてもうひとつの休み方は、「何も計画せずに『計画する力』を充電する休み方」

計画することはとても大切ですが、

物事の優先順位や時間配分などを考えるのは自分の計画力を使います。

計画力を充電するには、何もせずに計画の枠から外れることが必要です。

ここでは思いつきもいいですし、

何も思いつかずに過ごすのもOK。

 

計画は確かに大切ですし効果も抜群なんですが、

四六時中計画していては疲れてしまいますし、

計画通りに行かないと逆にストレスがたまったり、

「計画する=自分にプラスに働く」という習慣づけから離れてしまったりすることがあります。

 

なので今週末の場合、Javishはこの「休み方改革の2本柱」に沿って、

土曜日に家事全般を午後3時までにすべて済ませてから思いつくまま読書をし、

日曜日は学校に提出が必要な書類を済ませ、思いつくままYoutubeでお笑いを見、

その後は映画「Black Panther」を観に行きました。

 

この計画することと計画しないことのハイブリッドはずっと続けていきます。

計画力を適度に使ってQOLを高め、また計画しないことで計画力を充電する。

ぜひこの「休み方改革の2本柱」、お試しください。

 

では今週もがんばりましょう!

1ヶ月間の御礼。

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お疲れ様です、Javishです。

 

時間が経つのは早いもので、

この記事でちょうど30記事目です。

 

いつも本ブログを読んでいただいてありがとうございます。

「1日1記事何か書く」ことを目標に本ブログを始めましたが、

ひとまず1ヶ月間無事達成できたことに驚いています。

これも毎日みなさんにアクセスしていただいたおかげです。

御礼申し上げます。

 

この1ヶ月間毎日ブログを書き続けてきたわけですが、

ブログを続けたことで自分にも変化が起きつつあります。

今回はブログを1ヶ月続けて起きた変化についてまとめます。

 

アクセス数が増えた。

本ブログを読んでくださっている方々、

いつも本当にありがとうございます。

ブログを1ヶ月続けた結果、

2018年3月3日時点で合計513PVをいただきました。

のべ500人以上の方に読んでいただけるとは光栄です。

毎日アクセス数が1あるだけでも飛び上がるほどうれしいです。

 

今後も面白い記事を書けるよう継続していきます。

何か書いてほしいテーマがありましたら、

右上の問い合わせフォームからお知らせください。

より考える癖がついた。

教員として日常を過ごす中で、

「これは調べたいな」「これは情報発信したいな」という風に、

より考える癖がつきました。

 

読書するにしても書評の形で他の人に薦めたいという感情がわくようになりましたし、

ニュースを読むでも要因を考えたり考察を加えたり、

教材を見つけたらその応用方法を考えたりと、

感じた事をそのままにするだけでなく、

もう1段階深く考える癖がつきました。ブログっていいですね。

教員にブログは向いてるのでは。

より書く習慣がついた。

当たり前ですが、毎日ブログを続けると、ものを書く習慣がつきました。

それもただ書くだけでなく、

情報をあつめ、まとめ、できるだけ面白く書く。

これがとっても難しい!

まだまだひよっこな書き手ですが、

集めた情報が面白くとも下手に書くとつまらなくなるし、

情報が平凡でも書き方次第で面白くなるような気がしています。

 

これって教員の仕事とつながるところが多いと思うんです。

教える内容が面白くても、その教え方がつまらないと授業はつまらない、みたいな。

今後は情報あつめと書き方の双方の質を高めていきたいところです。

 

おわりに

今回はブログを1ヶ月続けて起きた変化とその御礼を伝えるための記事でした。

繰り返しになりますが、いつも本ブログを読んでいただいてありがとうございます。

未熟ながら、今後も精進いたします。

皆様よい週末をお過ごしください。

Javishはしっかり休みます!

アメリカの銃規制問題を学びに使う。


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お疲れ様です、Javishです。

 

ここ最近、アメリカでの学校銃発砲事件が多発していることは各メディアでも取り上げられています。そして3月1日、死者は出なかったものの、ついに教員による銃発砲事件がアメリカ・ジョージア州で起きました。トランプ大統領は学校での銃発砲事件の対応策として一部教員に銃を携帯させることを提案し物議を醸していますが、今回の事件をもってどのような動向を見せるのか気になるところです。

 

銃規制問題はアメリカでは長年に渡って論議されてきたものの、銃規制は進まず平行線をたどっています。この問題、学校で学びの題材として使えないでしょうか?

例えば、「銃規制をすべきかどうか」で議論する道徳のテーマに使うのもいけそうです。「銃は危険だから規制」という単純な議論にならないよう、肯定派と否定派に分け、ディベートさせるのもおもしろそうです。

もっとシンプルにしたいなら、「なぜアメリカでは銃規制問題が進展しないか」をテーマに調べ学習もどうでしょうか。アメリカの銃規制問題は政治的な面や、大きな権力を持つNRA(北アメリカライフル協会)、銃を所有する権利を保障するアメリカ憲法の存在、広い国土と多様性からくる自主防衛の必要性など、多くの要因が複雑にからんでいます。日本では憲法改正もホットなテーマですが、アメリカ憲法の銃規制の部分の改正は日本よりもずっと昔から話し合われてきた部分なんですね。トピックごとに分けてジグソー学習が出来そうです。

もっと哲学的な学びにしたいなら、「アメリカの銃規制を進めるならどうすべきか」を考えさせたいです。極論から言って、アメリカの銃規制問題が進まないのは憲法で保障されている権利をタテに利権を確保する人たちが原因ともいえることから、「カネよりモラルを優先すべき理由」が議論のテーマになります。ここは非常に授業のコントロールが難しそうですが、議論が行き詰まらない支援が出来るならGoです。

ざっと考えてもこれだけ授業のアイディアが広がります。あ、海外文化として英語科で喋るだけでもいけそうか。幅がありますね!ぜひ検討してみてください。

川口市立中学のいじめ問題を考える。

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お疲れ様です、Javishです。

 

いじめ問題はどの学校にとっても最も力を注がなくてはならない業務のひとつです。

2013年にいじめ防止対策推進法が施行されたように、学校ではいじめを未然防止・早期発見・早期対応することとされている一方で、いじめ問題は連日のようにメディアで報道されます。悲しい限りです。

今回は川口市立中学校でおきたいじめ問題に対する学校の対応について考えます。

 

川口市立中学のいじめ問題と学校対応

埼玉県川口市立の中学校3年生の生徒が、①所属していたサッカー部内でのいじめ、②同部顧問からの体罰、そして③インターネットなどによる中傷が原因で不登校になってしまいました。体罰を行った顧問は当初体罰を否定していたものの、被害生徒とやりとりをしていたノートに体罰を行ったことがわかる旨の記載があり、それを証拠に顧問は体罰があった事を認めました。

それ以降の対応として、保護者会及び生徒集会にていじめ防止指導を行うことや、被害生徒に対する学習支援、教職員のいじめ防止の研修の実施など5項目が記されていた「○○君への今後の支援体制」という文書が校長から被害生徒と保護者に示されました。

保護者や周囲の励ましもあり、当該生徒は学校に復帰。しかしいじめはやまず、保護者が家庭訪問を行った学年主任と市教委の担当者に文書の項目が実施されているのか抗議したところ、担当者らはその文書の存在を知らず、先月2月1日の時点までその文書が現場の教員らに共有されていないことがわかりました。

教頭は「支援体制」の文書について「先生たちには見せていない」と認めたものの、「内容に書かれてある個別の支援やいじめ防止の活動はその都度、必要な時に教諭に指示してきた」と反論しました。

学校に対する信頼をさらに失った生徒は学校に行く意欲がさらに低下、今後の学校の対応が急務とされています。

考察

今回のいじめ事件と学校の対応。Javishが考える問題点は計画の全体像が教員に共有されていないことだと考えます。

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 文書の作成に関わった教員が明らかになっていませんが、文書を保護者と生徒に示したのが校長で、その文書の存在を知るほかの教員がいなかったことから、学校内で円滑な情報共有がされていなかったことは明らかです。教頭先生によるとその都度指示はでていたようですが、教員がいじめ防止対策の全体像を把握しないままその業務を部分部分に行っていたことになります。これは問題です。組織が何か目標を持って計画を進めるのであれば、その計画の全体像を組織の全員が共有するのは絶対です。なぜなら、その計画の実行中に意識のずれが生じるからです。

 管理職がいじめへの対応策を立てて実践する目的を「生徒が安心して学校で勉強できるような環境を整えるため」としたと仮定しましょう。管理職は以下のように考えます。

 

管理職:

生徒が安心して学校で勉強できるよう今後の対応策をたて、各職員に実践させよう。

 

しかし、実際には計画の全体像は共有されず、対応策が別々に指示されました。対応策は5つの項目があり、多岐にわたります。そのひとつひとつの指示の際に、きちんと「生徒のため」という目的が共有されたでしょうか。もし共有が明確に出来ていない場合、教職員の中にはこう考えた方がいる可能性があります。

 

教職員:

管理職からいじめ対応策を指示されたからやろう。 

 

この時点で、いじめ対応策の目的と、いじめ対応策の実行そのものが混同しています。対応策の実行の目的は生徒と保護者のためであって、指示されたからやるものではありません。目的がばらばらだと、 優先度合いが各個人で異なった結果計画が遅延したり計画の実行方法が第三者から見ても問題なく進んでいるかを評価できなくなったりします。多忙な教員の勤務実態と学校という閉ざされた空間の2点を考えると、この2つは特に起こりやすそうに見えませんか?実際、いじめの被害を受けた生徒が学校の対応策を示されて学校に復帰してからもいじめがやまなかったことから、学校のいじめ対応計画には遅延が起こっていたことが予想できますし、 「計画全体が共有されていないことを保護者と生徒が知ったらどう思うか」を学校は考えられていなかったことが今回の抗議につながりました。

この学校運営は果たして適切といえるのか、疑問です。今回保護者と生徒からの抗議を受けて、教頭は諸対策を必要なときに「指示した」と反論していると報道されていますが、保護者と生徒の怒りは「指示されていたか」ではなくて「教職員で連携が取れていないじゃないか」ということ。計画は遅延、相手(保護者と生徒)のニーズにこたえられていない。

先日紹介した「JALの心づかい」を読んでほしいです。相手のために考えて行動する力がつく本ですよ!

thoughtsofenglishteacher.hatenablog.com

 

おわりに

今回の一件は学校運営のありかたと教職員の適切な連携の取り方を考えさせられる事案です。いじめをうけた生徒と保護者の今後がどうなるのか、非常に気になります。

Javishも学校の業務で多忙な日々を送っています。もちろん上からの指示もたくさん受けていますが、ひとつひとつの業務が「何のため」にあるのかを考え続けられる教員でありたいです。

 

 

参考サイト

<川口いじめ>信じて再び登校したのに…不登校生徒に示した「今後の支援」共有されず 母が抗議、教頭反論

http://www.saitama-np.co.jp/news/2018/02/28/04.html

川口のいじめ 顧問教諭が体罰 ノートが証拠に

https://mainichi.jp/articles/20171208/k00/00e/040/201000c

アプリで漫画を読んで英語を伸ばす。

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お疲れ様です、Javishです。

 

今日は英語で漫画が読めるアプリを見つけたので紹介します。

「漫画で学ぶ英語」というアプリです。

 

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読める漫画は「ブラックジャックによろしく」だけですが、

このアプリの良いところは、

日本語と英語の比較がすぐに出来るところ。

 

各話の各タイトルにまでしっかり英訳がついているだけでなく、

ページ画面で右上の矢印のボタンをタップすると、日本語と英語が切り替わります!

 

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このページでの言語切り替え機能は画期的です!

この上のページだけでも、

「汚い大人」が「a corrupt doctor」と訳されており、

「汚い」→「堕落した(corrupt)」って訳せるのか!と、

日本語ならではのニュアンスの訳され方を勉強できます。

英語で読む漫画って、かなりの勉強になりますね。

 

まずは日本語で読むもよし、最初から英語で読むもよし。

英語で読んで、わからなくなったら日本語に切り替えて確認するもよし。

この「ブラックジャックによろしく」は著作権フリーの作品だからこそ実現したアプリですね。

 

作品そのものもかなり面白いので、通勤の片手間にいかがでしょうか。

タブレットが配置されている学校では、このアプリをインストールしてもいいのでは?

その場合は生徒に日本語で読まないよう釘を刺すのをお忘れなく。

 

ちなみにJavishは5巻、6巻あたりでぼろぼろに泣いてしまいました。

漫画を読んで泣いたのは初めてかもしれません。

 

それではまた。

今週もあと半分、がんばりましょう!

【書評】考えて行動する力をつけるための1冊。

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お疲れ様です、Javishです。

 

今回は「JALの心づかい」という本のレビューをします。

 

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Javishも今までいろんな航空会社を使ってきました。

海外経験のある友達も多く、チケットを予約する時期になると、

「あの航空会社はいい」「あの航空会社はやめたほうがいい」など、

行き先と価格帯はほぼ同じながら、

航空会社によってサービスの質は全く違うといっても過言ではありません。

 

お財布事情からJALはあまり使ったことがないのですが、

やはり日本の航空会社は日本人・外国人ともに評価が高く、

チケットの価格以上の価値のある旅を提供する会社に間違いありません。

 

さて、この「JALの心づかい」は、

日航機墜落事故、経営破たんを経て復活した日本航空

サービス力のもととなる考え方がつまった1冊です。

 

空港で働く地上スタッフの事を「グランドスタッフ」と呼びますが、

そのグランドスタッフへの取材をもとに、

JALのおもてなしの基礎がまとめられています。

 

学校は生徒をおもてなしする場ではありませんが、

教員としても参考になる点が多く載っています。

本の中の「お客様」の部分を「生徒」に変えて読むと、

そのまま教訓になるような考え方が満載です。

 

この本を読んで、最も印象に残ったのが

JALのグランドスタッフは人をよく見て、自分で考え、行動している」ところ。

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文字にすると簡単に聞こえますが、

他人が何をしてほしいのかを観察するだけで見出し、

そのニーズにあった行動を言われなくても実行するのは大変です。

そうした「考える力」は普段から意識しないと出来ないことですよね。

Javishももっと生徒をよく見て、

生徒のニーズにこたえられる教員になりたいと思いました。

 

内容がシンプルにわかりやすくまとまっているため、すぐ読める1冊です。

 興味がある方はぜひ読んでみてください。

ロゴ当てゲーム「B編」

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お疲れ様です、Javishです。

 

昨日作った「ロゴ当てゲーム」を授業で実践したところ、

生徒に大ウケでした!

調子に乗って「B編」を作成しましたので公開します!

 

とてもシンプルなゲームですが、

手順等確認される方は以下の記事をご確認ください。

thoughtsofenglishteacher.hatenablog.com

それでは行きましょう。

ロゴ当てゲーム「B編」

問題:

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解答:

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今週もぼちぼちがんばっていきましょう!